アルコール依存症とは
楽しく飲めば毎日の活力になるアルコール飲料ですが、毎日のように飲み続けることで飲まずにはいられなくなってしまう人もいます。
いわゆる「アルコール依存症」の状態で、お酒を飲まないシラフの状態でいると強い不安感を感じるようになってしまい、これから仕事をするという時や飲んではいけない時間帯にお酒を飲んでしまうという行動をとるようになります。
厚生労働省ではアルコール依存症と認められる症状についてまとめており、いくつかの項目が一定期間続いたときに正式に依存状態にあるとしています。
具体的な項目をいくつか挙げると、以下の通りです。
・アルコールを飲みたいと強い渇望がある
・禁酒や断酒をしようとすると強い離脱症状(体の震えや発汗、不眠、吐き気、イライラ感など)がある
・飲酒の開始や終了を自分でコントロールできない
特に社会生活において深刻とされるのが、飲酒するために他の社会生活を犠牲にしてしまうことがある点でしょう。
自動車の運転をしなければいけないことがわかっているのについ飲んでしまったり、家族に飲んでいることがバレると叱られるのでこっそり隠れて飲むようになったり、お酒を買うために借金をしたりといったことです。
調査によると日本におけるアルコール依存者の割合は1.1%とされており、これは世界ランキングの第136位にあたります。
世界一アルコール依存症が多いとされている国はベラルーシで、約11%がアルコール依存症状態にあるとされています。
世界的に見ると割合としては低めですがゼロではなく、依存症になってしまうことで家庭が崩壊することも多いことから、決して問題を軽く見ることはできません。
女性がなりやすい理由、改善策
割合として日本の女性のアルコール依存症は全体の0.3%とされています。
数としては少ないように感じますが、2003年時点の調査では女性の割合が0.1%であったのが2008年には0.3%と急増してきました。
アルコール依存症専門病院に新規で受診をする人の割合を見ても女性は18.6%と次第に割合が高くなってきていることから、普段からよくお酒を飲む女性は自分のこととして問題を捉える必要があります。
女性は男性よりも体が小さく、肝臓のサイズも小さめであることから、同じ量のアルコールであってもその影響を受けやすくなっています。
また女性ホルモンはアルコールの代謝を阻害する作用があることから酔いを感じやすく、長時間アルコールが体内にとどまる傾向にあるのです。
ストレスをきっかけとしてアルコール依存症になる人が非常に多いため、家庭や仕事などで精神的に追い詰められないよう、またそこでお酒に逃げないように周囲に協力をとりつけることが大切になってきます。