アラフォー貧困とは、きっかけとなること
先行きのわからない経済状況が続いている現代ですが、ここ近年大きな問題になっているのが中年期以降の貧困です。
ニュースなどを見ていると、貧困で生活が困難になっているのは若い世代で、バブル期に仕事をしていた高齢者世帯はお金があり余っているかのように感じますが、実際は必ずしもそうではありません。
むしろ中年期以降の世代では経済格差がより大きく、特に「アラフォー貧困」と言われる40代からの貧困が問題になってきているのです。
「アラフォー貧困」というのは、文字通り40代前後になって生活が困難になってしまうことを言います。
普通、40代といえば会社員ならば管理職になり働き盛り世代としてバリバリ勤務をしている印象がありますが、なんと調査による40~44歳のうち男性は13.2%、女性は15.6%が貧困と認定される状況に陥っているという調査があります。
30代まではきちんと生活を送れていたはずの人がなぜ突然40代から生活困難になるかというと、そのきっかけとしては「転職」「リストラなどの賃金カット」「病気・ケガ」といったようなことが挙げられるでしょう。
注目をしたいのが「転職」による貧困で、これは貧困状態にあるとされている人のうち3人に1人がきっかけとして該当しています。
なぜ転職によって貧困になってしまうかというと、これは計画的な転職ではなく思いつきにより会社を辞めてしまったという人にありがちなケースです。
どんな仕事でも嫌な部分というものはありますが、ただ「嫌だから辞める」という衝動的な理由で仕事から離れてしまったもののそこから再就職ができず、ズルズルと預貯金を切り崩し、気がつけば貧困状態ということが多くあるのです。
リストラや賃金カットの場合は、その原因が自分の決断ではないとは言え、やはり同じように計画的な就業や収入確保ができなかったことが理由となります。
アラフォー貧困になりやすいタイプとは
40代になって貧困状態になるというとかなり怖く感じますが、これは誰に身にも必ず起こるというわけではありません。
アラフォー貧困になりやすいタイプとしては「貯蓄がほぼなかった」「収入に見合わない生活レベルをしてきた」「経済的貧困状態になっても何の手段もとらなかった」というようなことが挙げられるでしょう。
特に考えたいのが「貯蓄ゼロ」ということで、これは20代に一流企業に就職したというような人でも意外によくあるケースとなっています。
若い内は貯蓄の必要性をそれほど意識しませんが、30代も後半になってくると病気のリスクも高くなってきますし、親も介護が必要になってくるでしょう。
事故やケガ、病気などによって一気に多額の金額が必要になってしまったときに貯蓄がないことから、そこで一気に貧困状態になってしまうというケースが増加してきているのです。
また、収入が多くあった時期にブランド品や海外旅行など贅沢な暮らしに慣れてしまうと、いざリストラや転職などで収入が減っても、そのままの生活レベルを続けてしまうということがよくあります。
アラフォー貧困はある日突然なるのではなく、それまでの蓄積により発生するものなのです。