肩こりが身体に与える影響

肩こり

肩こりとは、筋肉や筋膜が硬くなり、血液やリンパの流れが悪くなることで起こる症状です。
肩こりは、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、ストレスなどが原因で発生することが多く、現代人にとっては身近な悩みです。
しかし、肩こりはただの不快感にとどまらず、さまざまな健康上のリスクを引き起こす可能性があります。
肩こりが日常生活に及ぼす影響としては、以下のようなものが挙げられます。

・頭痛やめまい、視力低下などの神経系の障害
・血圧上昇や動脈硬化などの循環器系の障害
・免疫力低下や感染症の予防力低下などの免疫系の障害
・消化不良や胃腸炎などの消化器系の障害
・うつ病や不安障害などの精神的な障害

これらの障害は、肩こりが長期化すると重篤化する可能性があります。
肩こりは軽い症状と思わずに、早めに対処することが大切です。
この記事では、肩こりの原因と予防法、治療法について詳しく解説します。

健康への影響

肩こりはただの不快感にとどまらず、健康に様々な影響を及ぼす可能性があります。

肩こりとストレスの関連性

肩こりによって自律神経のバランスが崩れると、交感神経が優位になり、イライラや不安などのネガティブな感情が強くなります。
また、肩こりは脳への血流を低下させるため、集中力や判断力などの認知機能にも影響を与えるといわれています。
これらのことは、仕事や勉強などのパフォーマンスを低下させるだけでなく、人間関係やコミュニケーションにも支障をきたす恐れがあります。

肩こりが引き起こす痛みと不快感について

肩こりは、首や肩だけでなく、頭痛や目の疲れ、耳鳴りやめまいなどの症状を引き起こしますが、これらの症状は、日常生活での支障となります。
肩こりは筋肉の緊張を引き起こすため、血圧や心拍数などの生理的指標にも変化をもたらすとされているので、注意したいところです。
これらの変化は、心臓や血管に負担をかけることになります。
特に高血圧や動脈硬化などの既存の疾患がある場合は注意が必要です。

肩こりがもたらす睡眠障害

肩こりによって筋肉が硬くなると、寝返りを打つ際に痛みを感じたり、快適な姿勢を取るのが難しくなったりします。
自律神経のバランスが崩れると、入眠や深い眠りに移行するのが困難になったり、夢見や目覚めが悪くなったりといった症状が見られます。
睡眠障害は、日中の眠気や倦怠感だけでなく、免疫力や代謝機能の低下などの健康リスクを高めるというわけです。

美容に与える影響

肩こりが慢性化すると、美容にも悪影響を及ぼす可能性があります。以下のような問題が起こるかもしれません。

顔色がすぐれない

肩こりによって血行が悪くなると、顔の血液循環も低下します。すると、顔に十分な酸素や栄養素が届かず、顔色がくすんだり、青白くなったりする可能性があります。

疲れた表情になりやすい

肩こりは、頭痛や目の疲れ、首の痛みなどを引き起こすこともあります。これらの不快感は、表情筋にも影響を与えて、表情が硬くなったり、たるんだりする原因になるかもしれません。
肩こりによって気分が落ち込んだり、ストレスを感じたりすると、表情にも反映されて、疲れた印象を与える可能性があります。

顔のバランスに左右差が出てしまう

左右の肩こりの程度や原因は必ずしも同じではありません。
例えば、パソコンやスマホを使う際に左右どちらかの手を多く使ったり、寝る姿勢や座る姿勢に偏りがあったりすると、左右の肩こりに差が生じる可能性があります。
すると、左右の筋肉のバランスや姿勢のバランスにも影響を与えて、顔の形や大きさにも左右差が出てしまうかもしれません。

以上のように、肩こりは健康への影響が大きいため、肩こりを放置せず、適切な対策を行うことが重要です。

肩こりを軽減する方法

肩こりは、筋肉や筋膜の緊張によって引き起こされますが、その原因はさまざまです。長時間のデスクワークやスマホの使用、ストレスや睡眠不足などが挙げられます。
肩こりは、ただ不快なだけでなく、頭痛やめまい、視力低下などの重大な健康障害につながる可能性もあるので予防が肝心です。
肩こりを予防するためには、以下の三つの方法を紹介します。

日常生活での姿勢の改善

肩こりの最大の原因は、姿勢の悪さです。デスクワークやスマホの使用時には、背筋を伸ばして顎を引き、目と画面の距離を適切に保ちましょう。
長時間同じ姿勢でいると筋肉が固まってしまうので、30分に一度は立ち上がって伸びをしたり、首や肩を回したりしましょう。

ストレッチやエクササイズの重要性

肩こりを予防するためには、筋肉や血流をほぐすことが大切です。ストレッチやエクササイズは、肩周りの筋肉を柔らかくし、血液やリンパの流れを改善します。
特に、胸筋や僧帽筋などの肩こりに関係する筋肉に注目してストレッチしましょう。
エクササイズは、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。
有酸素運動は、全身の血流を促進し、代謝を高めます。

マッサージやリラクゼーションの活用

肩こりを予防するためには、心身ともにリラックスすることも重要です。
マッサージは、自分で行う場合もプロに任せる場合も効果的です。
マッサージは、筋肉や結合組織をほぐし、痛みや炎症を和らげます。また、マッサージによって副交感神経が優位になり、リラックス効果も得られます。
リラクゼーションは、音楽や香りなどを利用して心地よい空間を作りましょう。リラクゼーションは、精神的な緊張を解きほぐし、自律神経のバランスを整えます。

ストレッチやマッサージ以外の方法

温熱療法や薬物療法があります。
温熱療法は、筋肉や関節の痛みやこわばりを和らげるために、温めるか冷やすかを適切に判断して行う方法です。温めると血流が良くなり、冷やすと炎症が抑えられます。
薬物療法は、痛みや炎症を抑えるために、医師の処方に従って薬を服用する方法です。薬には、鎮痛剤や非ステロイド性抗炎症薬などがあります。
これらの方法は、ストレッチと併用することで、より効果的に筋肉や関節の不調を改善することができます。

肩こりは早めに対処したいところです。
健康な体と心を保つためにも、日々の生活習慣に気を付けてください。

肩こりに効果的なストレッチ

肩こりを和らげるストレッチの種類には、以下のようなものがあります。

首回し

座ったままで、ゆっくりと首を左右に回します。首の後ろや横の筋肉を伸ばすことができます。首回しは、一方向に5回ずつ、合計10回行いましょう。

肩甲骨回し

座ったままで、両手を前に伸ばします。手のひらを合わせて、ゆっくりと上下に動かします。肩甲骨の周りの筋肉をほぐすことができます。肩甲骨回しは、上下に10回ずつ、合計20回行いましょう。

胸開き

立ったままで、両手を後ろに組みます。手を下に引き下げて、胸を前に突き出します。胸や背中の筋肉を伸ばすことができます。胸開きは、10秒間キープして、3回繰り返しましょう。

ストレッチの頻度

日常生活に組み込むためのストレッチは、以下のようなタイミングで行うと効果的です。

・朝起きたとき:一日の始まりにストレッチを行うことで、身体と心を目覚めさせることができます。朝のストレッチは、軽めに行ってください。
・昼休みや仕事中:デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいると、肩こりが悪化する可能性があります。昼休みや仕事中に少し立ち上がってストレッチを行うことで、血流を改善し、疲労や眠気を防ぐことができます。
・夜寝る前:一日の終わりにストレッチを行うことで、身体と心をリラックスさせることができます。深呼吸を意識しながら行ってください。

以上のように、ストレッチは肩こりを軽減するだけでなく、健康や美容にも多くのメリットがあります。
毎日少しずつでも続けることが大切です。ぜひ試してみてください。

ストレッチを行う上での注意事項と注意点

肩こりを軽減する方法の一つとして、ストレッチが有効ですが、以下の注意事項と注意点を守る必要があります。

健康に安全な範囲で行うことが重要

無理に体をねじったり、痛みを感じるまで引っ張ったりすると、筋肉や関節に負担をかけて逆効果になる可能性があります。
ストレッチは、自分の体の感覚に合わせてゆっくりと行いましょう。

専門家のアドバイス

ストレッチは専門家のアドバイスに従って行うことが望ましいです。
特に、肩こりの原因が分からない場合や、持病や怪我がある場合は、医師や理学療法士などの専門家に相談してから行うことが必要です。
専門家は、あなたの状態に合わせた適切なストレッチ方法を指導してくれます。

ストレッチは暖かい環境で行う

寒い場所でストレッチを行うと、筋肉が硬くなってしまい、効果が低下したり、ケガをしたりするリスクが高まります。
ストレッチを行う前には、適度な運動で体を温めるか、暖房器具や湯たんぽなどで体温を上げるようにしましょう。

ストレッチは定期的に行うことが大切

一度だけストレッチを行っても、肩こりの改善効果は持続しません。
ストレッチは、毎日の習慣として取り入れるか、少なくとも週に数回は行うようにしましょう。
ストレッチの時間も長すぎず短すぎずに調整することが重要です。
一般的には、一つの部位に対して10秒から30秒程度のストレッチが適切です。

以上の注意事項と注意点を守ってストレッチを行ってみましょう。
ストレッチは、肩こりだけでなく全身の健康にも良い影響を与えます。ストレッチで体をほぐしましょう。

ひどい肩こりの場合、病院へ

肩こりは多くの人が経験します。症状が重くなければ問題ありません。しかし、肩こりが長引いたり、他の症状とあわせて現れたりする場合は医師の受診を検討してください。

強い痛みを首や肩に感じる場合

椎間板ヘルニアや石灰沈着性腱板炎のような病気や狭心症、心筋梗塞のような命に係わる病気の可能性がありますので早めに受診しましょう。

腕にしびれや筋力低下がある場合

椎間板ヘルニアの可能性があるため、整形外科を受診しましょう。

2~3週間対策しても効果が見られない場合、なにか病気が隠れている可能性があるため、整形外科や最寄りのないかに受診することをおすすめします。